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2022.07.20掲載

Littlewoods 小林 裕(こばやしゆたか)さん

鳥のさえずりが山にこだまする、久井町莇原に


山や田畑に囲まれた久井町莇原(あぞうばら)。のどかなその風景の中に佇む一軒の古民家、それがLittlewoodsだ。古民家のリノベーションや空き家再生をその生業として、2022月6月に小林 裕さんが起業した。現在は、広く活動を知ってもらおうと、木や革を使用したインテリア雑貨の製作販売も行っている。

「ものづくり」のおもしろさに惹かれて


小さな頃からプラモデルやラジコンなどを作り始めると周りが見えなくなるほど没頭する少年だった小林さん。手先が器用だったこともあり、「ものづくり」のおもしろさに魅了された。
大人になってからは、その思いを仕事にも結びつけたいと、建築、車、造船と「つくる」を軸にした職を転々とし、最終的には図面を引くところから施工までの技術をすべて習得。そして満を持して、念願だった古民家リノベーションと空き家再生を事業の柱に、Littlewoods立ち上げとなった。

古民家は宝の山


縁あって手に入れた久井の古民家。その家の歴史は、わかっている限りでも109年。人が住まなくなってから随分と時間が経っているため、今は、週末ごとに通い、少しずつリノベーションを進めながら、作品づくりも行っている。当時の暮らしに思いを馳せながら、床を剥ぎ、天井板を落としていく過程では、毎回先人の知恵や技術の高さを思い知らされる。



「古民家は、僕からすると宝の山なんです。」
リノベーションで出た木材は、一つ残らず違うものに形を変えていく。学びの多い古民家に無駄なものなど一切ないのだ。プラモデルやラジコン作りに夢中になった小林少年の眼差しは、思いはそのままに今、古民家に向けられている。

「固い家って、好きになれないんです」


家づくりに関する知識も技術もある小林さん。プロとして、図面から施工まで、寸分違わず形にすることは当然可能だ。だが、敢えてそこに「味わい」を持たせたいと思っている。例えば、壁塗りの際にコテの跡を残してみたり、レンガを少しずらして並べてみたり、スキのない「固い家」ではなく、「余白や遊びのある家」。そんな家造りを、施主と共に目指していきたい。

やりたいことが次々に


「家に命を吹き返す仕事で人に喜んでもらうのと同時に、つくる楽しさもたくさんの人に味わってもらいたい」と小林さん。
近い将来、ここで、ものづくりのワークショップも行いたい。広い敷地なので、テントを張り夜は焚き火を囲む合宿にしても良い。そしてレストラン開業や農業体験など、ここでやりたいことが次々と浮かんでくる。


さて、来月からは、「第1回リノベーション実践・起業コンテスト」で受賞した片岡ちえさんの「キラナノキ」(三原市港町、旧中川書店)の外構も着工予定。その他、介護施設のリフォーム等も任され、いよいよLittlewoodsが本格始動だ。(2022年7月時点)

Littlewoods
小林裕(こばやしゆたか)
広島県三原市中之町南1402-73
TEL.090-9460-5884
Mail:littlewoods5884@gmail.com
Instagram:https://Instagram.com/littlewoods_inc?igshid=YmMyMTA2M2Y=